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メダカ飼育と睡蓮(スイレン)~屋外水槽で同居させたい植物人気NO.1~

弊社に頂くお問い合わせでお庭のメダカ水槽で一緒に鑑賞したい人気ナンバーワンがこの睡蓮。美しさとともに夏の暑さからもメダカ君たちを守ってくれる彼らを迎え入れるには前もって知識も少し頭に入れておきたいですよね。花の咲くときもそうでない時も、メダカ君たちとわれわれ飼育者と共に一年を過ごしてくれる彼らのお話をすこし。

概要、分類

睡蓮はスイレン目スイレン科スイレン属に属する植物の総称です。多年生浮葉植物で、世界中の熱帯~温帯に分布し、湖沼や流れの緩やかな河川のワンドなどの水位が安定して流れがほとんどない場所に生育しています。花が大きく色鮮やかで高い鑑賞性をもっています。

多くの種類と品種があり、温帯に分布する種とそれらの交配によって生まれた耐寒性が高い品種は温帯睡蓮または耐寒性睡蓮と呼ばれ、熱帯に分布する種とそれらの交配によって生まれた耐寒性が低い品種は熱帯睡蓮または非耐寒性睡蓮と呼ばれます。温帯睡蓮と熱帯睡蓮の交配品種も存在し、それらの呼称は耐寒性により区別されます。

生態、特徴

植物体は根茎、根、葉柄、葉からなります。根茎は水底の泥中を横に這い、根茎から太い根を泥中に伸ばします。成長期には根茎の先端にある成長点から水面に向けて葉柄を伸ばし、円形~楕円形の葉を水面に浮かべます。冬季は水中葉を展開します。花期には成長点から花柄を水面に伸ばし、水面上で開花します。花柄1本に1つの花がつきます。花は4枚の萼片に包まれ、多数の花弁と雄蕊があります。萼片と花弁はそれぞれ十字状に展開します。朝に開き、夕方には閉じますが、一日花ではなく数日~1週間もちます。夜間に開花する品種もあります。

メダカとの関係、相性

メダカとの相性が良い水草です。水面に浮かぶ葉がメダカを強い日光や外敵から隠れる場所になります。葉柄は細いためメダカの遊泳スペースを圧迫しません。一方で、花を咲かせようとすると根茎と根を充実させる必要があるため、用土が他の水草と比較して多くなり、厚く敷いた用土や大きな鉢が水量を減らしたり、遊泳スペースを狭くしたりします。また開花には肥料が必要となり、水質が悪化しやすくなります。開花させたい場合、水槽は大きめのものを用意しておく必要があります。

人(日本人)との関係

睡蓮は古くから人との関係があります。古代エジプトでは太陽の象徴として、アジアの仏教圏ではハスとともに仏教における重要な花として扱われてきました。18世紀以降、欧米で育種が進められ多くの品種が誕生しました。日本においては古くから日本唯一のスイレン属であるヒツジグサが栽培、観賞されてきましたが品種改良や育種は行なわれませんでした。明治には海外から様々な品種が輸入され、大正には国内において育種が進められましたが、戦争により多くの品種が失われました。現在は海外から輸入された品種が主にアクアリウムやビオトープで栽培され、植物園などの研究機関や愛好家、育種家の手によって国産新品種が少しずつ誕生しています。

参考

アクアリウムフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

参考

テラリウムフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

参考

アクアテラリウムフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

参考

ビオトープフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

水槽内、他の植物との相性

水槽内において環境の急激な変化を予防する役割を果たします。栄養の吸収量が多く、水面に展開する葉は強い日光に耐えることができるため。水の富栄養化や水温の過昇温を予防することができます。

他の植物との相性は良いです。強い日光が苦手な沈性植物の日陰作りの役割を果たします。抽水植物とは葉の展開場所が異なるため問題はなく、抽水植物の立体的な葉と睡蓮の平面的な葉の展開により水景が綺麗に整います。浮遊植物と浮葉植物とは水面の競争が起きるほど繁茂させない限りは問題ありません。水面を覆い尽くすほど繁茂する前に睡蓮の葉や他の水草を間引いて水面を確保しましょう。

実際に睡蓮が届いて水槽投入までの流れ(メダカ水槽に入れる際の注意点、投入方法)

メダカ水槽に投入する方法は鉢植えと底床植えの2通りの方法があります。鉢植えは睡蓮を移動させやすく水槽内での配置を替えたり、メダカ水槽から取り出したりすることができるため、メンテナンスがしやすくなります。また睡蓮に必要な必要最低限の用土だけで済むこともメリットです。底床植えは移動させにくく、底床を厚く敷く必要があるためあまり一般的ではありません。ここでは一般的でメリットのある鉢植えでの投入方法を説明します。

鉢の直径は根茎の長さの2倍程度、深さは直径と同程度のものを用意します。用土は赤玉土やソイルなどの土(ソイル)系底床を使用します。植え付けは根茎を横向きにします。根が多い方を下に、成長点が向いている方を上にして、成長点が鉢の真ん中になるように配置して用土を鉢に入れます。根の隙間に用土がしっかりと入るように軽く鉢を叩いたり、水を流したりしながら用土を入れていきます。用土を入れ終わったら微塵抜きをします。水を張ったバケツなどの容器にゆっくり沈めて引き上げる作業を何度か繰り返すか、水やりと同様の方法で上から大量に水をゆっくりかけて微塵を鉢底から流します。微塵が流れたのを確認したら、メダカ水槽にゆっくり沈めます。一気に沈めてしまうと表面の用土が水槽内に散ってしまったり、万が一残っていた微塵が水を濁してしまったりすることがあります。また、メダカも驚いてしまいます。用土が鉢から出ないように用土の間にある空気が抜けるより早く沈めないように気を付けます。鉢内に水がしみ込んでこないようでしたら、微塵がまだ残っていることがありますので、再度、微塵抜きを行ないます。

維持難易度、維持方法(春夏秋冬別注意点)

維持は容易です。水深は株元から5~20cm程度にします。年間通して日光にしっかりと当てます。少なくとも半日は直射日光に当ててあげましょう。熱帯睡蓮と温帯睡蓮では成長期と耐寒性が異なるため管理の時期と方法が異なります。

温帯睡蓮は3~4月から成長を始めます。植え替えと植え付けは成長が始まる前の2~3月に行います。10~11月には成長が止まり休眠に入ります。冬季は屋外無加温越冬ができます。しかし凍結は苦手なため、植物体がしっかりと水に浸かる状態にして凍結しないように注意します。施肥は4~10月の間は1~2月に1回行います。秋は施肥量を減らしていき、冬季は肥料負けするため肥料分を切ります。

熱帯睡蓮は5~6月から成長を始めます。植え替えと植え付けは成長が始まる前の4~5月に行います。9~10月には成長が止まります。耐寒性が低く冬季は屋外無加温越冬が難しいため、屋内管理か加温管理にします。10~15℃程度までは耐えることができるため、それ以下にならないように注意します。施肥は5~9月の間は1~2か月に1回、秋冬は温帯睡蓮と同様です。

花を咲かせやすい管理方法

花を咲かせるには少しコツが必要です。長い根茎と充実した根を維持したまま余裕のある鉢に植え込むこと、時期に合わせた施肥量と頻度、株元まで十分な日光に当てること、適度な水温が必要です。

まず必要なのは長い根茎と充実した根です。植え替えや植え付け時に根茎や根を整理してしまうと株が弱ってしまうため開花しにくくなります。枯れた部分を取り除く程度の整理に留めます。一方で根茎と根を充実させると根詰まりが起きやすくなります。根詰まりを起こすと成長障害を起こして開花は見込めなくなるため余裕のある大きさの鉢に植え込む必要があります。根茎と根の整理は必要最低限に留めて、余裕のある大きさの鉢に植え込みましょう。

肥料は時期に合わせて適度な量を適度な頻度で施します。量と頻度が少ないと開花に必要な栄養分が得られず、多いと肥料負けをして株が弱ってしまいます。量は株の大きさや水量により左右されます。目安は藻類が発生しない量にします。頻度は月に1回です。春に成長を始めたことを確認したら施肥を始めます。夏の酷暑の時期には暑すぎて成長が止まることがあります。根が肥料負けしないように施肥を止めるか、量か頻度を減らします。秋は春と同様に施肥しますが、水温の低下に伴い施肥量と頻度を減らしていき、施肥を止める段階で水を替えて肥料分を切らせた状態にして冬を迎えます。冬季は成長が止まっているため根が肥料負けしやすく、施肥をすると春からの成長に悪影響を及ぼします。方法は液肥を栽培している水槽の水に混ぜる方法と緩効性肥料を用土に埋め込む方法の2つがあります。液肥を水に混ぜる方法は手軽ですが、肥料が睡蓮に効果的に効きにくく、水質悪化や藻類の発生に繋がりやすいため、睡蓮にだけ肥料を効かせやすい用土に植え込む方法をおすすめします。メダカ水槽では肥料がメダカに直接悪影響を及ぼしたり、水の富栄養化による水質悪化を引き起こしたりすることがあるため水量に余裕のないメダカ水槽では施肥しないようにします。

日光は株元にまで当たるようにします。春から開花までの間に葉が多く展開すると株元まで日光が差し込まなくなります。1株に強い葉が5枚程度になるまで葉を間引いて株元にまでしっかり日光が差し込むようにします。また、水が濁っていても株元にしっかり日光が当たらなくなるため水を替えて株元にまでしっかり日光が当たるようにします。

水温もまた開花に必要な条件です。水温が低いと開花しにくいのはもちろん、高すぎても開花しにくくなります。水温は25~35℃に維持します。夏には置き場所を半日(できれば午前中)だけ日光が当たる場所に移動させたり、遮光したりして水温調整します。遮光率は高すぎると日照不足になるため40%程度までにします。それでも水温が下がらない場合や移動や遮光ができない場合は水を足したり、替えたりして水温を一時的にでも下げてあげると効果があります。

繁殖難易度、繁殖方法

繁殖方法は株分け、根茎伏せ、実生の3つがあります。それぞれ成長が始まる前に行います。

株分けは成長点が分裂したものや脇芽を切り分けて行ないます。ランナーで子株を増やす種類と品種(N. mexicanaとその交配種)もあります。ランナーで増えた子株はランナーを切って分けます。ほとんど確実に株を増やせるため難易度は低いです。適切な環境と管理で栽培していると自然と成長点が分裂したり、脇芽が出たりしますが、種類や品種によってはしにくいものがあります。分裂しにくいものは根茎伏せで増殖させることができます。

根茎伏せは根茎を切り分けて頂芽優勢を打破して芽を出させる方法です。根茎が10cm以上ある株を用意して5cm程度に切り分けます。成長点がある先端はそのまま栽培を続け、根茎と根だけの部分は綺麗な用土に植え込み、綺麗な水を入れた水槽に投入して半日陰で管理します。早ければ1か月ほどで根茎の途中から芽が出てきます。そのままの管理を葉が5枚以上になるまで続けて、以降は徐々に明るい場所に移動して通常管理にします。この方法は伏せた根茎から芽が出ることなく腐ることがあるため、難易度は少し高いです。

実生は種子から発芽させる方法です。ここではムカゴも併せて説明します。種子からは親と異なる性質を持った株に成長することが多く、ムカゴからは親と同じ性質の株に成長します。種子は結実したものが自然にこぼれたものを採取して使用します。ムカゴは熱帯睡蓮の種類や品種によっては葉の付け根にできるものがありますので、それを採取して使用します。採取から播種までの間は綺麗な水を入れた容器に入れ、温帯睡蓮であれば冷蔵庫、熱帯睡蓮であれば10℃以上の暗所で保管し、定期的に水を交換して種子やムカゴが腐らないようにします。春になったら日当たりの良い場所に綺麗な用土と綺麗な水を使用した親と同様の環境を用意して、採取した種子やムカゴを蒔きます。光発芽種子であるため土は被せません。成長期に入ると発芽してきます。水面に葉を展開するまではあまり施肥をせずに綺麗な水で管理します。水面に葉が増えるに従い施肥をしていき、まとめて蒔いた場合は翌春には根が絡まないように鉢で1株ずつ個別管理にします。充実した種子とムカゴを使用すると失敗することは少ないため難易度は低いです。

他の睡蓮の仲間たち

ヒツジグサ(Nymphaea tetragona)

  1. mexicana
  2. micrantha
  3. colorata
  4. caerulea
  5. lotus
  6. rubra
  7. gigantea
  8. carpentariae
  9. capensis

まとめ

睡蓮はメダカとの相性、水槽内や他の水草との相性も良いためメダカ水槽に適した水草です。温帯睡蓮と熱帯睡蓮は管理が少し異なるため、どちらか把握をして適した管理をしてあげましょう。花の鑑賞性が高く、様々な品種があるためコレクション性もあります。花を咲かせるにはコツがあり試行錯誤や慣れが必要ですが、その分咲いた時の喜びは大きくなります。睡蓮栽培を楽しみつつ大きく色鮮やかな花でメダカ水槽を彩ってみてはいかがでしょうか。

 

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